総会長挨拶

山縣 邦弘
総会長 山縣 邦弘
筑波大学医学医療系腎臓内科学 教授

 このたび、第64回日本腎臓学会学術総会を、令和3年6月18日から20日の3日間、パシフィコ横浜ノースで開催することになりました。新型コロナウイルス感染症との共存を強いられる社会状況ではありますが、第63回学術総会終了後より将来の学術総会のあり方を模索しながらプログラム委員会を中心に準備を進めております。

 令和3年夏は東京オリンピックという世界的なスポーツの祭典の開催を控えております。開催イベントの意義を今あらためて真剣に見つめ直し、参加者の安全に万全の配慮を尽くし、発表される成果が参加者と市民に福音をもたらす点はオリンピックも学術総会も共通するものと思います。皆様に安心と期待をもって参加いただける学術総会の開催を目指してまいります。

 第64回学術総会のテーマは「未来へ架ける腎臓病学~新たなステージへ~」です。グローバルな視点に立ち将来の腎臓病学を想い描くためには、先人の歩みや功績を十分に理解することが欠かせません。そのため、参加される皆様にはわが国の腎臓病学の“これまで”を習得し、“これから”を創造できる機会にして欲しいと願っています。プログラム委員会により練り上げられた多くの基礎および臨床の話題と、総会長企画としてJAXAつくば宇宙センターとの共同企画、最新の宇宙医学研究を取り上げたシンポジウムやメディアアーティストである落合陽一先生の特別講演などを予定しています。これらの企画を通して、近未来の医学研究、診療開発や学会開催でのメディア活用に関するヒントをぜひ見つけていただきたいと思います。

 現時点ではこれまでの学術総会と同様、会員の皆様に現地会場にお集まりいただけるように万全な体制で準備を行っておりますが、一方で現地へ行かずに参加できるWEB同時配信と、HP上の閲覧などのハイブリッド方式を残しての開催を予定しております。このような新たな開催方式をいかに魅力的に企画し、現地開催とWEB上の開催との統括、議論の活性化などの課題を克服して、最良の学術総会となるように創意工夫を試みたく思います。本学術総会はコロナ禍という困難な時期の開催となりますが、新規性のある学術的な発見や切磋琢磨して解析した研究成果の発表の場を出来る限り提供できればと総会長として願ってやみません。参加いただく皆様全員に満足いただけるような、また皆様の輝く眼を見ることのできるような学術総会を開催できるよう鋭意準備を進めてまいります。ぜひご期待ください。